Street Smart になりたくて

岸優太くん、Mr.Kingを応援

「CDデビューが全てじゃない」と「CDで成績が決まる」発言に思うこと

 

 

記念すべきV6兄さんの20周年公演!V6担ではないけどレポ読み漁ってました。

 V6兄さんおめでとうございます。

 

 (前置き:以下は、いちファンの個人的意見としてお読みください(笑)。 )

さて、そのレポを読み漁っているうちに、興味深いものを見つけました。twitterでも話題になっている、つー◯さんの「人気があってもCDの売り上げで成績が決められる」発言(笑)。事務所がグループを評価・査定する基準がそこだったのか・・・と思いました。

 確かに個々がマルチな活動をすればグループ人気にも繋がってCDの売り上げが伸びることは事実だろうし、それに「CDの売り上げ枚数=ライトなファンと濃いヲタクのを全体的包括した人気指数」と事務所が定義しているのなら、広告代理店ほかタレントの売り込みをしたい会社にそれを具体的な数字として提示できるだろうし、比較的合理的な判断材料だとは思います。(というよりも、そもそも、ファンの概念や人気指数なんてはっきりと把握することなんて難しいと思うけれど。)

 この発言を知った時、私は 社長のジャニーさんはJWの会見でこんなことを言っていたのを思い出しました。「タレントは全てレコードをださなきゃならないのか。アーティストとして活躍するには何でもやれなきゃならない」という発言。この短い間にtwitterで拡散された、2つのコメント。ファミクラ側とジャニーさんの間で、タレントに求めるものに対して、認識の隔たりがあるのかなと、私は感じました。

 というのも、「メディア露出云々よりかは舞台やショーに情熱とこだわりを見せてきたジャニーさん」に対して、事務所は「ビジネス・収益という経営的な側面を重視している」のかなと思ったんですよ。

 私はどっちが正しいとか論じるつもりはなくて、むしろどっちも必要。本来それは車の両輪として機能するべきものなんだろうけど、タレントやJr側からしてみれば、CDの売り上げで成績が決まるというのが経営陣の考えって、プレッシャーみたいな形でのし掛かってしまう可能性もあるんじゃないかなって思いました。だから今もなお、Jrの多くがデビューに拘るのも無理はないと思ってしまって。

 

 そういえば、以前日本の音楽業界って少し特殊と耳に挟んだことがあった。今もなお、産業構造が「CDを買ってもらう」というハードウェア主体のビジネスで、ストリーミングサービスは未だメジャーになるまでには至っていないと聴く。実際ネットで調べてみると、日本のアルバム販売においてCDの占める割合は85%だというデータを見つけた。これは他先進国に比べると非常に高いらしい。

 

 

 

音楽を「売って、買わせる」時代から・・・

 私個人の体験ではあるけれど、1年前アメリカに留学していた時、CDという媒体はもう過去のものとして認識されつつあるなあと感じることが多々ありました。私は普段ジャニーズと洋楽ばかり聴いてるんだけど、アメリカでSpotifyという無料音楽サービス友人から教えてもらってからは、洋楽を聴くためにもうあまりYouTubeを開くことはなくなりました。アプリをダウンロードするだけで、曲をインポートする必要もない。勝手に最新のTop40を更新してくれ、ポップスはもちろんディズニーからジャズまでどんなアーディストの曲も入っている。無料でCD音源と同じ音質の曲が聴けるし、自分のプレイリストも作れる。それからは、洋楽好きだけど、iTunesなんてほぼ使わないしCDも買うことはなかった。大学の周りの友達もみんなSpotifyを愛用していて、生活の必需品だった。「自分が好きなものを、好きな分だけ」といったカスタマイズが好きなアメリカ人の国民性に合ったサービスだからこんなに普及したのだとは思うけど、CDみたいなハードウェアを買う時代はもう過ぎ去りつつあるのかなと感じたんです。日本と比べて、アメリカの音楽業界全体が、CDを買わせることにこだわっていないのかなと感じたんですよ。

 

 

 

じゃあ、日本では?

 そして日本でも、10年以上前から、CDがなかなか売れない時代だと言われていますよね・・・。前ほどミリオンを出すことは難しくなってきたし・・・。YouTubeでも音源は聴けてしまうし(笑)、iTunesで買えるものは1曲ごと買ってしまえば経済的だし。CD文化って成熟期をとっくに過ぎて衰退期に来てるんですかね・・・。

ここまで書いてきてなんだか日本のCD化を否定している様に見えるかもしれませんが、 私はCD文化っていいこともたくさんあると思ってます。世界的にはもうCDは古い!という流れだけど、でもCDにはCDの良さがあるとは思っているので。CDというハードウェアを買って初めて、アルバムの曲々を一連の作品として聞くことができるという経験をしたことがあるから、そういう一面を切り取ればCDを買うことって意義のあることだと思ってます。ジャニーズで例を出すならば、例えば、KAT-TUNの"Queen of Pirates"。Track1のT∀BOOが終わったら、息つく間もなく、track2のKeep the faith に曲が移っていく。普通はアルバムを流し再生していると、曲と曲の間には5秒くらい間があくのがメジャーだけど、T∀BOOからKeep the faithにかけては、1秒の間もなく流れるように始まる。

 あえてそうした作り手の意図は、あの頃のKAT-TUNが持っていた強烈なオーラと荒削りのかっこよさを表現するためかな、と。というのも、まず1曲目のT∀BOOを再生すると、海賊・KAT-TUNによって深海の闇に連れ去られていくイメージが湧く。そしてその後息つく間もなく始まるKeep the faith のイントロが流れると、聞き手は自分の世界から逸脱して、一気にKAT-TUNによって支配されたような感覚に陥り、KAT-TUNの世界観に沈み込んでいく。その一連の流れの表現が、KAT-TUNの作品をよりKAT-TUNらしくしているなあ、と感じました。

 話が長くなってしまったけど、特にアルバムなんかは、そういった作り手の細かいこだわりが見受けられて、「ああ、アルバムってただの曲の詰め合わせBOXじゃないんだな」と改めて思うし、一つの流れる作品として成り立ってると思うんですよ。

 

だから、iTunesみたいに曲のバラバラ買いができる仕組みや、YouTubeで曲を単体して聞くことが主流になってしまえば、アルバムによっては、作り手の作品に込めた想いを味わえなくなってしまうこともあるのではないか、と思います。私自身、ジャニーズの全グループのCDを買う訳じゃないから、よくYouTubeでいろんなジャニ曲を聴いているけど、もったいないことをしているかもしれないな、とたまに思う時があります。

 

 

  

私なりに考えた、ジャニーズ×CD文化のこれから

 ただ、どんな物事も変わっていく。あれだけ日本の携帯電話業界がガラパゴス化していたのに、AppleiPhoneを発表してものの数年で日本人のほぼ全員がスマートフォンを手にする時代に様変わりしたように、音楽業界にも変化は加速していくのかなと思います。

 今までは、「曲を作って、CDというハードウェアに入れて、かっこいいジャケットにして売る」という音楽を売る音楽業界だった。日本はまだまだCD文化が根強いし、昔ながらの音楽業界の産業構造は固く維持されている。(Spotifyが日本でなかなか解禁されないのも、あちこちに利権が絡まってるからなのかもしれないなあ。。。)

 

特に、アイドルビジネスは特殊。

 多くのファンは「音楽」に対してお金を出すのではなくて、その音楽を歌って踊る「アイドル」という人にお金を払っている。そこまで歌が上手くなくても、一生懸命歌って踊り、キラキラした笑顔で元気をくれるその「行為」にお金を払っている。

 だから、CDの中身が一緒でもジャケットが違えば全種類買ったり、アイドルビジネス特有の「握手券」や「イベント応募券」が付けばそれを目当てに買っている人が多い。

 事務所側も、CDが売れないこの時代に苦肉の策としてこういった特典を何種類も用意するから、「アイドルに会いたい」という欲と、コレクション欲を満たせるヲタクと、CDを買ってもらえるという会社の利害が一致しているし、アイドルビジネスではCDって大事なのかなあとも思います。

 

 

でも、今はもう、CDってなかなか売れない。天下のジャニーズといえども、特典をつけても、ミリオンヒットを飛ばすことは年々難しくなっている気がします。

 それでも、今回の「CDの売り上げで成績が決まる」発言は、事務所がこのCDの売り上げ至上主義的な考えに拘りすぎているからかな、と。ていうか、もし音楽業界とか広告業界がそれを絶対的な指数として扱っているならば、J事務所もその流れに沿ってビジネスするよなそりゃ・・・って思いました。

 

以上は、自分の経験とか感覚をベースにした私の勝手な推測です(笑)。だけど、こう考えてみると、私は、ジャニーさんの「CDデビューが全てじゃない」発言の真意を考え直すに至りました。

 もともと、どちらかといえば舞台やショーといった類のものに情熱を注いできたジャニーさんだけど、あれだけスターの原石を発掘して流行を生み出した先見の明があるジャニーさんには、これからのジャニーズの未来を見通した上での発言かもしれないなと思ったんです。

 ジャニーさんが「CDデビューという道に拘らないで欲しい」「それ以外の道もある」と最近よく口にしているのは、「デビュー組が増えて先が詰まっているから 」という理由だけでなく、音楽業界の構造が少しづつ変わっていく中で、アイドルビジネスでおいても、「Jr→CDデビュー」という今までの構図だけでは、ジャニーズ帝国が帝国であり続けることは難しいという時代になってきていると考えているのかな、と。

 昔みたいにもうCDがバカ売れすることは難しくなってきているからこそ、CDデビューしても必ずしもスターになれる訳じゃない。むしろこれからは、色んな形でエンターテーメントが進化していって、「ジャニーズ事務所所属=アイドル」という世の中のレッテルを持っていながら、「歌って踊る」ことに拘らず自分の芸を極めていくことで、世の中を席巻するという現象も来る。あの発言って、そういう真意もあったのかなと思いました。

 

 

そう考えると、私も、「エンターテイメント」って必ずしも「CDデビューすること」だけじゃないかもしれないと思い始めた。

 私はJr担なので、「デビュー」という伝統的で華々しい言葉にはめっぽう弱い。正社員でもない、不安定な立場にいるJrを応援したいし、デビューを一種のゴールとみなして、その目標を担当Jrと共有している錯覚を持てる。それがJr担の醍醐味で、私は楽しんでる。でもよく考えてみると、CDデビューしていなくたって活躍している人はいるなあと思います。もちろん今はまだイバラの道だということは承知の上だけど。でも、その道は王道じゃないかもしれないけど、「この道で勝負していくんだ!」と思って突き進んでいく斗真くんやかざぽんを見ていると、ブレない芯と自分なりの"仕事哲学"を持っていそうでかっこいいなと尊敬の眼差しで見ています。

 そういえば先日、気象予報士に合格したSnow Manの阿部ちゃんが「バク転しながら天気予報とかいいですね」と冗談交じりに言ってたけど、本当にそういうエンターテイメントが生まれるかもしれない。音楽とアクロバットの融合だけじゃなくて、それに生活ツールやアカデミックな知識などの新しいツールも組み込んでいく。例え最初は好奇の目でしか見られなくても、磨き続けていけば、新しい形のエンターテイメントとして認識されていくのかもしれない・・・と大真面目に思いました。

 

 そう考えると、ジャニーさんが言いたいことってきっと、Jrの活動を通してエンターテイメントで活かせる自分の持ち味を探して欲しいということなんじゃないかなあ。シンプルだけど、今までの先輩と同じことを追いかけてちゃいけないよって。開拓精神というか、今までのジャニーズにはなかった道を切り開こうという心意気を求めている気がする。(あの発言って、捉えようによっては「デビューできなくても文句いうなよ」っていう切り捨てに聞こえるかもしれないし、色んな闇抱えてる謎めいた事務所だから、本当にそう思ってるのかもしれないけど(笑)。)

 

きっと「デビューだけに拘らないで」というあの発言は、「曲を売る」という時代が近い将来終焉を迎えることを感じているジャニーさんがJrに向けて送った、エンターテイメントで生きて行くアドバイスみたいなものなのかもしれない。

 (そしてもし彼らが自分の持ち味とか夢を追求した結果、ジャニーズ事務所ではそれは活かすことはできないと考えるなら、事務所を去るという選択肢もあるかもしれない。でもその時に、今までありがとう!新しいスタートも頑張れ!と清々しくヲタクが声をかけてあげたくなるような、そんなガムシャラなJr時代を過ごしてほしいなあ。)

 

 私が大好きなBlack eyed peasのWill.i.amは以前雑誌のインタビューで、こんなことを言ってました。

 

いまのぼくらは、音楽の海のほんの浅瀬でちゃぷちゃぷ遊んでいるにすぎない。いまぼくが興味をもっているのは音楽の海のもっと深い部分だ。最新の科学とテクノロジーは20世紀にあったあらゆるものをいま根底から覆していっている。電話やテレビが変わっていくように、鏡やポケットなんてものですら、数十年後、いったいどんなものであるか予測もつかない。音楽がいままでのように歌って踊るためのものだなんて思ってたら大間違いだね

 

 

 確かに音楽ってよく考えれば、単体の音の集合体だもんね・・・。高校の時音楽の授業で、人間と音の関わりは古来から続いているということを習ったっけ。そんな「娯楽」を超えて人間と深い関わりを持つ無限の可能性がある音楽が、もっと色んな形で世の中に旋風を巻き起こすかもしれない。アイドルビジネスにおいても、音楽が「歌って踊るもの」という使われ方だけではなくなるかもしれない。そんな「新しいエンターテイメント」を提供してくれる時代が来るかもしれないとワクワクしています。

 

事務所様~!!

 伝統的なジャニーズアイドルの形って維持し続けていって欲しいけれど、「グループをデビューさせ、CDを売って、買ってもらう」以外にも、それ以外で道を見つけ出した(見つけ出そうとしている)Jrたちが安心してその道を突き進んでいけるようになりませんか・・・?私はそう願ってます!

 

 デビューはできなかったけど色んな道で頑張っている30歳前後の「ジャニーズJr」の地位が高まるとか、事務所を辞めて他の事務所に行った子の活動が制限されなくなるとか、そうなっていけば希望の光もあるのかな・・・。 

岸くんは過去のインタビューを見るに、芸能界で生きて行くことに固い決意を持っている様だから、そんな岸くんが納得する形で芸能活動ができるようになっていってほしいなあ。何百人もJrを抱えているし、難しいことだとは思うけれど。

 

 

 

理想を語るとキリがないですね・・・。以上、いちファンの戯言でした。

 おやすみなさい。